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その打ち手で大丈夫?問題解決の手法を使って、そもそもの問題を解決する方法【打ち手実行編】

その打ち手で大丈夫?問題解決の手法を使って、そもそもの問題を解決する方法【打ち手実行編】

前回の記事はこちらをご覧ください

前回の記事では、架空のホテルAを例に「冬の売り上げが低い」という問題に対して、ロジックツリーを使って根本の原因を見つけるところまでを解説しました。
後半となる本記事では、実際にどんな手を打つか、アイディア出しから実行までのプロセスを追っていきたいと思います。


<架空のホテルAについて>
なぜ冬の売り上げが低いのか?の原因をロジックツリーを用いて考えてみたところ、夏に比べて「予約件数が少ない」ことと「1件あたりの宿泊人数が少ない」事がわかりました。

さらに深掘りして考えたところ、「近隣の人気温泉地にお客様が流れている」「夏休みには親子孫3世代旅行など、大人数での旅行需要があるが冬は少ない」などの理由が見えてきました。
また、お客様アンケートを行った結果、「冬は積雪があるため車で来るのが不安」という意見があった一方で、「冬は静かで景色もよく楽しめた」という声がありました。


分析結果を整理し、問をたてる

ロジックツリーを使って問題を分解・分析した結果、以下のことがわかったとします。

  • 近隣の人気温泉地にお客様が流れている現状はあれど、それでも来てくれたお客様の満足度は高い。
    →冬ならではの良さは来てくれたお客様には伝わっているようなので、もっと広く知ってもらえればより多くのお客様に来てもらえそう
  • 大型連休がない冬は家族連れのお客様が少ない。
    →学生や若者のグループ旅行には可能性がありそう?
  • そもそも積雪により交通アクセスが悪いため、来たくても来られない人もいる。

そこで、

  1. どうしたら冬ならではの良さをもっと多くの人に知ってもらえるか?
  2. どうしたら学生・若者グループの旅行先として選んでもらえるか?

の2つの軸で、打ち手を考えていくことにしました。

広くアイディアを考えて、絞る

まず「1. どうしたら冬ならではの良さをもっと多くの人に知ってもらえるか?」に対して、前半でも紹介したロジックツリーを使って「漏れなくダブりなく」考えられる打ち手を挙げていきます。

原因を追求するロジックツリーでは「なぜ?(Why?)」を繰り返して深掘りしていきましたが、今回のように打ち手を考えるときは「どうやって?(So How?)」を繰り返して考えます。
ここで大切なのは「出てきたアイディアを最初から否定しない」ことです。
まずは考えられる全ての可能性を出し切ってから、実行するかどうかを決めていきます。

同様に「2. どうしたら学生グループの旅行先として選んでもらえるか?」に対してもアイディアを出し合っていきます。

最適な打ち手を決定する

大小さまざまな打ち手のアイディアが出揃ったら、最適な打ち手を選び実行していきます。
予算・時間も限られている以上、すべて実行することは難しいでしょう。
そこで意思決定をするときや優先順位をつけるときによく使うのが「マトリックス」です。
ここでは縦軸に「効果」、横軸に「実行しやすさ」をとり、ここまでで出たアイディアがどのブロックに位置するかを振り分けていきます。

このマトリックスで言うと、右上のブロックにあるものが実行しやすく効果も高いため、まず着手するべきと言えます。
このように図を使うことで、どの打ち手を優先度高く取り組むべきかが見えるので効率的に打ち手を実行することができます。

小さなことから実行する

やることが決まったら、あとは実行するのみ。
ここでのポイントは、小さいことからはじめることと、適宜効果を測定しPDCAを回すことです。

完璧な計画にこだわるよりも、多少計画が粗くても小さいことから始めることで得られる学びの方が多いもの。
小さいことから初めて変化を感じることで、問題解決に対するモチベーションも保ちやすくなります。

また、その打ち手によって本当に問題が解決されそうか?を適宜振り返り、次の打ち手につなげることも大事です。
例えば1ヶ月に1回振り返りをするなど、最初に予定を立ててしまうのがおすすめです。

まとめ

2回にわたって問題解決の手法をご紹介しました。
手法に沿って問題解決をしていくことで、思いつきではたどり着けないような打ち手が見つかり、「そもそもの」問題を解決する近道となります。
もちろんこの手法は万能ではないですし、この記事で紹介しきれない考え方もたくさんあります。
詳しく知りたい方は、ぜひ専門書を手にとってみてはいかがでしょうか(私も勉強中です)。

最後に、問題を解決することは目的であると同時に、それぞれの組織のミッションを果たすための手段であると私は考えています。
今回の例で言えば、いくら売上アップが期待できる打ち手でも、ホテルAのミッションに反していれば実行するべきではないはずです。
問題解決をする上では、目の前の問題が解決することで組織のミッションにどうつながるのか、という視点が常に大切だと思っています。

フルスケールが御社の問題解決、さらにはミッション遂行にお役に立てれば幸いです。ご相談お待ちしています。

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