F.S.JOURNAL

音声SNS「Clubhouse」が地方に届くまでと、これからのこと。

音声SNS「Clubhouse」が地方に届くまでと、これからのこと。

Withコロナ時代の新たなSNSがやってきた

この2週間、話題沸騰の招待型音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」
日本国内における「Clubhouse」の1月末〜2月現在までの約2週間における広がり方は、過去の世界的SNS(Facebook、Twitter、Instagramなど)のそれを、はるかに凌駕するスピード感。まさに「お祭り騒ぎ」「狂想曲」といった様相で、既に利用中の方はもちろん、気になっている(気にせざるを得ない)という方も少なくないのではないでしょうか。

実際の使い方・楽しみ方・注意事項などについては、報道や専門メディア・ブログなどで、様々な情報が発信されていますので、ばっさり割愛。
Clubhouse」が九州・熊本在住の「私」に届くまでのプロセスを時系列で振り返りながら、これからの行く末に対する率直な印象についてお伝えします。 

改めて「Clubhouse」とは?

繰り返しになりますが「Clubhouse」とは、アメリカ発の招待型音声SNSです。
「参加・主催もできる雑談(ラジオ)の集合体」と捉えておけば問題ないのではないでしょうか。

元グーグル社員のポール・ダヴィソンとローハン・セスにより開発された本アプリは、20204月にサービスローンチ。
まだローンチしてから1年以内という非常に若いSNSです。

新型コロナウィルス感染拡大初期にアメリカを中心に広がりを見せ、日本では2021年1月23日よりβ版の運用が開始されました。
※まだ「日本語版」ではないため、画面上は全て英語表記です。ご注意ください。

「新しいSNSだし、最新の機能が詰まりまくったものなんでしょう?」…なんてことはまるでなく、

  • 友人・知人を集めて久々に雑談するもよし。
  • 仕事しながら、ビジネス最新動向のディスカッションを聴いて知識を蓄えるもよし。
  • 笑いたければ、タレントやお笑い芸人の話を聴くもよし。
  • 話したいことがあれば、手を挙げて話してもよし。

というように「話す」「聴く」以外は基本何もなく、コメントやいいね!などもなく、余計な機能は全て削ぎ落とされています
そのシンプルさゆえ、発信するにも、受信するにも、気軽に参加(落ちるのも)できるのが、最大の特徴であり魅力のひとつです。

FOMOって何?

本編から少しズレてしまいますが、本アプリの流行には「FOMO」という聞き覚えない言葉が用いられています。
これは「Fear of missing out」(取り残されることへの恐れ)の略称。
自分が知らないところで「他人が有益で魅力的な体験がしているかもしれない…」「チャンスを逃すかもしれない…」といった不安になる心理を指し示す言葉です。

20年以上前から存在している言葉なのですが、SNS・スマートフォンが世の中に普及した2010年代以降は「ソーシャルメディアの利用を通して、ネガティブな社会的・精神的体験を引き起こす現象」として警鐘・定義されています。

・完全招待制(2021年2月時点)である

・アーカイブが残らず、規約上メモ・録音が禁止

Clubhouseは「今、この瞬間に参加していないと二度とその会話を聞けないかもしれない」という心理状況をユーザーに常時付与。
その結果、アクティブなユーザーを爆発的に増加させているのではないかと考えられます。

どんな流れで熊本に届いたのか?

日本のみならず、世界規模拡がるClubhouseが、どのような流れ(時系列)で地方都市・熊本に住む私に届いたかを「ソーシャルメディア時代の消費行動モデル」として提唱されて久しい「SIPS」にあてはめながら、簡単に振り返ってみたいと思います。

Sympathize(共感する)―12526

・話題がピークを迎える数日前の1月25〜26日頃、Facebookのタイムライン上で、Clubhouseの存在を初確認。
・最前線で活躍するIT企業経営者、マーケティング・メディア界隈のトップランナーからの投稿でも、複数確認。
・Clubhouseについてリサーチ。その軌跡を知り、共感する。

Identify(確認する)―12728

Clubhouseが来る!」という趣旨の記事が増え出す。
SNS上での興味、関心もさらに広がりを見せる(招待待ってます、など)。
・火に油を注ぐ形で「メルカリでの招待枠が転売」の記事がヤフートップに。
・このあたりの報道を受け、改めリサーチをスタート。
アプリをダウンロード。ウェイトリストに登録し、招待を待つ。

Participate(参加する)―128

翌日に東京時代の恩師から招待いただき、晴れてClubhouseへ参加。
※利用初期において、ソワソワな時間を提供しFOMOを作るという、非常にうまい仕掛けにやられる。

参加後は、様々なルームに入り、使い勝手や機能面をリサーチ。
その日のうちに、知人が作ったルームに招待され、あっという間にスピーカーデビュー。
・上記ルームで、面識のない複数人と会話を交わす。
※(コロナ関係なく)一生会話することがなかったであろう未知の人たちとコミュニケーションが取れるというのは、Clubhouseならでは。

このあたりで、Web・SNS上の盛り上がりもピークに。

Yahoo! Japan リアルタイム検索:

Googleトレンド:

ShareSpread(共有・拡散する)―129

・当社内で初めてClubhouseの話題を持ち出し共有。
・当社内スタッフを招待。
・その後、スタッフ間や社外の関係者にも瞬く間に招待が連鎖する形で拡散。

※「招待」する側の心理・体験も巧妙に設計されていて、「人の役に立った気がする」感…、悪くないです。
今後「招待制はなくす」趣旨がCEOのポール氏からアナウンスされているようなので、招待するのも、されるのを待つのも今のうち!

 Twitter、Facebook、Instagramに続くのか?

時系列で、地方に在住する私に届くまでをまとめてみましたが、3〜4日の出来事で、本当に一瞬でした。

この爆発的な拡大はどこまで続くのか? 数日間利用してみた上で、考えてみました。

結論としては、Zoom、Twitter、Youtube、LINEなどのWebサービス・SNSや、テレビ・ラジオなどメディアの代替サービス・プラグイン・スピンアウトとしては、非常に優れいて、コロナ渦で設けられなくなった雑談の場、ディスカッションの場、新しいコミュニケーションの場、表現の場として、中・長期的に普及するのではないかと思います。今後新しい使い方も増えていくはずです。

ただ、若年層や一般の方々(=非ビジネス目的)には、わざわざClubhouseでなくても、LINEやTwitter、Instagramでも、近似のコミュニケーションが行えるため、あえて利用する必要性はかなり低く、ビジネスツール(または著名人・クリエーター向けのツール)※としての利用がメインになると考えられます。
そこを加味すると、既存のメガSNSに匹敵するような広がりには繋がらないのではないでしょうか。

※既に投げ銭サブスクリプションなどのクリエーター向けの機能が準備されていることがアナウンスされています。

人気の次世代音声SNS「Clubhouse」がクリエイターへの支払い計画を発表、Andreessen Horowitz主導の新ラウンド準備中

また、「地方」ならではのルームが、あまり存在していない印象を受けます。
地方在住のユーザーが増えていけば、新たな種類のルーム・コミュニティが出現すると思うので、ぜひ今後に期待したいところです。
※”鼻が利く”熊本市の大西市長は既にClubhouseを利用されていて、先日ルームにも参加しましたが、とても有意義な内容でした。

「ビジネスにどう活かすか?」「うちの会社の場合はどう使う?」

と、実際に利用する前から、ソワソワされているWeb・デジタル担当者の方も、中にはいらっしゃるとは思います。
が、百聞は一見如かず。まずは、ぜひ自分で使い倒してみて、楽しんでみてください。
議論はそこからでも遅くない、はずです
※「音声SNS・サービス」については、音声SNS・メディアは、StandFMVoicyAudibleなどもユーザーを増やしているので、そちらにも注目を。

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